朝倉健生健康倶楽部
皮膚科
市販の塗り薬を使っていますが、水虫がなかなかよくなりません。
まず、それが本当に水虫かどうかをはっきりさせる必要があります。足裏や指間の皮がむけたりかゆくなる病気は水虫だけではありませんし、実際には「自称水虫」の方の3人に1人は水虫ではないといわれています。水虫菌(正しくは白癬菌というカビ)は肉眼で見えないため、顕微鏡検査でその有無を確認し、そののち適切な塗り薬や飲み薬を使えばまず治ります。ただ現実には少しよくなると治療をやめて(忘れて?)しまう方が多く、その場合またぶり返すことになりますので、医師から大丈夫といわれるまでは治療を中断しないことが大事です。
足の親指の爪が食いこんで、歩くと痛いのですが。
陥入爪(くいこみ爪)や湾曲爪(巻き爪)の可能性があります。陥入爪は爪の切りすぎが原因で、圧迫が加わることで爪のかどが指の肉にくいこんで痛む病気です。さらにそこに細菌が入ると余計に腫れて痛くなります。深爪をしないことが大事ですが、既に深爪をしてしまった場合は症状に応じて皮膚科などで治療できます。手術以外の方法もありますので、詳しくは医師に尋ねてみて下さい。
皮膚に以前から黒いできものがあって、皮膚癌ではないか気になっています。
皮膚のできものといってもたくさんの種類がありますが、大きく分けると、1)放っておいても命には関わらないもの(良性腫瘍)、2)放っておくと命に関わる可能性があるもの(悪性腫瘍)、に分けられます。一般に皮膚癌と言われているのは悪性腫瘍のことですが、悪性腫瘍にもたくさんの種類がありそれぞれ治療方針も異なります。残念ながらどんな名医であっても外見だけでは確実な断定ができないため、疑わしい場合は「皮膚生検」を行います。患部皮膚を数㎜切り取って細胞レベルで確認することで、肉眼では分からない僅かな異常を発見することが可能です。
冬になると手足がカサカサになってかゆいのですが、対策はありますか。
乾燥肌というのは、皮脂が減少して皮膚の水分量が低下している状態です。皮膚のバリア機能が破綻しているために外界からの刺激を受けやすく、いわば湿疹予備軍の状態といえます。乾燥肌が生じやすくなる要素としては1)高齢2)冬季3)生活習慣などがあり、特に生活習慣については、入浴時の石鹸の使いすぎやナイロンタオルでのこすりすぎは乾燥肌を悪化させます。もともと日本人は必要以上にタオルでこする習慣をもつ方が多いですが、乾燥肌のために手足が粉をふいたようになっているのを洗い方が足りないせいと勘違いして、ますます強くこすってさらに悪化させている方も少なくないようです。まずは乾燥肌を悪化させるような生活習慣の見直し、それでも改善しないようなら保湿剤を定期的に塗ることが必要です。乾燥肌が悪化して湿疹化した場合は、症状に応じた治療薬を処方してもらう必要があります。